13 / 26
第13話
「俺、どんくらい落ちてた?」
「少しだけ……、1、2分じゃないかな」
不安気になウミに聞くと「すげー不安だった」と小声で付け加えられる。
まぁ、そうだろうな……。ウミには悪いことした。
流れたままの涙をウミに舐め取られ、くすぐったくて思わず顔を背ける。
「ごめっ……。あの、まだ続けないといけないよな?」
小声で遠慮がちに聞かれる。
「わりぃ、平気だから続けて……」
そう言って『もう平気だから』と間近なウミの顔を追いかけて頬にキスをした。
「少し、乱暴でもいい? それとも優しくする?」
小声で確認されて、お優しいことで……と茶化してみるが、心は温かくなった。
「壊れたりしねーから、好きにしろよ」
言外に乱暴にしても平気だと含ませたのに、触れて来るウミの手は優しかった。
「なんだよ、じれってーな……。んっ、もっとちゃんと触れ……」
「気持ち良さそうだったし……、快楽堕ちってのも悪くないよな」
ふわふわと優しく撫でる手に焦れて身を捩ると、胸の先を口に含んだまま返事をされる。
「快楽堕ちって……」
どこのAVだよと笑おうとして、この状況がAVだよと冷静な俺が突っ込んだ。
「そんなんより、もっと強くしろって!」
「ふぅん、強いのが好きなんだ?」
二度達して頭がハッキリしたのかようやく状況に慣れたのか、何となくウミの様子が違う。
ともだちにシェアしよう!