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第16話
……こいつ、そういう癖持ってるのか? とてもじゃないが童貞とは思えない客へのサービスだ。
俺の方といえば、高校の時から2年間、大嫌いなアイツにいいように弄ばれてセックスも見られるのも慣れてしまった。どうやったら相手も見ているやつらも喜ばせられるかも知っている。金だっていざとなったら風俗でウリでもすればいいと思ってた。
力を込められてズブリと刺さるウミのソレを「ああぁっ」と声を上げて迎え入れる。さっき迎え入れたばかりの穴は性急な抽挿も容易に受け入れて、快感だけが引きずり出される。
ウミが落ち着いてガツガツしていないように思えたのは挿れる前までで、一度挿れてしまうと快感に抗えずに力任せにガンガンと突いてきた。二度目で性感が高まっているからこそ受け入れられるが、一度目からこれだったらたまったもんじゃない。
一度目の主導権握った俺、大正解!
ったく……、自分を茶化しながらじゃなきゃやってられない。
ウミの長いモノは胎の奥深くまで届いて、悲鳴のような、呻きのような喘ぎと激しい肉のぶつかる音、それから粘膜の音だけが室内に響く。薄暗くて部屋の全貌はよく見えないが、意外と広い部屋のようだ。
強い快感に身体と心がバラバラになったみたいだった。身体は必死に跳び箱にすがって喘ぎ続けているのに、頭の中は妙に冴えていて走馬灯のように関係の無い事をとりとめもなく考える。
──何回やればウミは気が済むんだろう。時間制限とかあるんだろうか。
──『餌やり』って何させられるんだろう? ウミの後に更に突っ込まれたらさすがに辛いけど……。1日で50万なら諦めるしかねーか。
──弁当買ったのに、冷蔵庫入れて来るの忘れちゃったな。帰った時ヤベーかな……。もったいなかったなぁ。
──ナツなんて名乗んなきゃ良かったな。ウミにあんな風に名前を呼ばれるならまだ本名の夏樹の方がマシだったな。
──ウミ……、旺実は今どこでどうしているんだろう。きっと普通の大学生になってんだろうな。遠くに来ちゃったな……。
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