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風呂上がりの佐藤さんと同じ香りを纏って脱衣場に戻る。 いつも横の棚の上に用意してくれているバスローブに腕を通して適当に結ぶと、再び鏡の前に立った。 何となく自分の身体を眺める。そこそこ引き締まった身体は中学までバスケをやっていた名残で、帰宅部となった今でも筋トレは続けている。 女子のように白くはないし、胸の脂肪も、腰は細い方だけど滑らかな曲線もない。 俺が女だったら。なんて、下らないと分かっている。 「…ん?」 右手を鏡についたことで脇の下に隠れていた赤い点を見つけた。 佐藤さんと初めてセックスする前に学校があるから痕はつけるなと忠告をして、ずっと律儀に守っていると思っていたが もしかして、自分が気づかなかっただけか? 嫌な予感がする。 バスローブを落として身体を裏返すと大きな鏡に背中を写す。うなじ、肩甲骨、腰、膝裏など、点々と紅が散っていた。 地味に隠れてるようで隠れていない。虫刺されでは誤魔化せないようなギリギリを攻めていて、良い性格が出てるなと思う。ため息がでた。 どうりで体育で着替える度に同じクラスの男共が微妙な笑みを浮かべて、意味のわからん肩パンをしてくるわけだ。 あれで結構、独占欲激しいんだよなぁ 初対面で告白されて、彼氏ができたからもういいよね、と例のサイトは退会させられたし… この間は店の店員と話をしていただけで、料理も来ていないのに店を出て、車の中で軽くイかされたし… うーん、大人げねぇな。 でも、こんなゴツい身体に欲情してるって思うと、自己承認欲求が満たされて、悪くないというか。 佐藤さんにならもっと酷くされても、許してしまいそうで、それが少し恐い。 吸うだけじゃなくて、 噛んで、縛って、 泣いて叫んでも、奥の奥まで 強く貫かれてーーー 気付けば手の平で下腹を撫でていた。見下ろすと中心が緩く上を向いている。 「…。馬鹿みてぇ」 まるで発情期の雌みたいだ。 なのにあの人は、こんな俺をきっと「かわいい」と言うんだろう。

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