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第4話

 キラキラしすぎでカメラ越しでも目が痛い。星の入ったでっかい目をした宝石君のアバターと俺でも知ってる有名なネコやウサギのキャラクターが仲良く並んでいるイラストが入ったグッズが机の上いっぱいに広がっている。商品の画は全てボカシ入れなきゃならないけれども打ち合わせの様子の撮影許可は取った『なんであなただけ特別なんですか?』みたいな解りやすい、すげーー嫌な顔をされたけれどね!  取引先の担当は女性2人。スタッフやマネージャーを含め、ここで男の姿を見たことがない。偶然だろうか? うちの取材には別に女性じゃなきゃダメだって指定もなかっただろうし……。  ふんわりしたパステルカラーの服を着た彼女達はサンプル品や、デザイン図を提示しながら説明をしているが、すげーー気を使ってるのがわかる。力関係は明らかだ。宝石君は相変わらずの口調で対応していて、内容についても大した指示はしていない。おおよそねーちゃん達に提示された通りに商品内容が決定していく。 「あと、これは前回決定していただいた商品です」  言うと彼女達は大きな紙袋から、いくつかの商品を出した。 「発売は?」 「来週水曜日10時にサイト、店頭同時に販売開始予定です」 「いつも通り同時刻に紹介すればいい?」 「はい! そのまま販売サイトに誘導できるので発売直後にお願いできればです」 「りょーーーー」  案件か。登録者200万越えのチャンネルで紹介してもらえれば、さぞかし跳ねるんだろうなーー。 「……あ、あの、よろしければなんですが、弊社のブログにもこの打ち合わせの様子の写真を載せさせていただけないでしょうか?」  そろそろ打ち合わせ終了かなってタイミングで後輩らしき方の女の子がテンション高く宝石君に話しかけた。 「……ダメって言ってあるよね」  低い宝石君の返事で、場の雰囲気が凍りついた。 「す、すみません! この子新人でまだお約束をちゃんと理解してなくて!」  慌てて先輩社員らしい女性が彼女の頭を下げさせて一緒に謝罪する。後輩らしき女の子は幾度も頭を下げながら涙目になっていた。 「そういうのいいよーー今日はもう終わりねーー」  宝石君、冷たーー。  全然許してない口調で言うと部屋を出てってしまった。  二人が帰る時、すげーー睨まれた。外見ゆるふわ女子なのに中身ごっついなーーまあ確かに俺だって、なんで俺だけいろいろ許可下りてんだろーーって不思議に思ってるけどさーー。

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