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第11話
「何が淫行だ。19じゃねーか!」
青柳君と別れたその足で宝石君のマンションに行くと、アポなしなのに、あっさりと中に入れてくれた。
「早いねーー優秀、優秀。嘘じゃないよ。僕15で妖精ちゃんになったから」
以前なら、くだらないと一笑できたが、あの事実を知った上ではまったく笑えない。あの時に自分は死んだとでも思っているのだろうか。
「大体、調べはついたんでしょ?」
大きな茶色い瞳が楽しそうに自分を覗き込む。少しも驚いていないし、慌てる様子もない。俺がここまで調べることは想定済で俺はまんまとお前の思う通りに動いてるってわけか?
「ねえ、どこまで記事にするの? 僕は何も止めないよ。僕が日本人で男で、19歳なこと? 担任の男に襲われたこと? いじめで殺されかけたこと? 男に薬を飲ませて寝たこと? どれもなかなかのスクープなんじゃない?」
くそう。ほとんど出せねーよ! とんでもないことになる。
「僕午後からオフなんだけど、正気の時にもっかい寝てみる?」
近づいて来た手をはたき落とした。
「いったーー! ひどーー!」
「ふざけんな!」
「スクープ記事楽しみにしてるね。黒 記 者 さん」
叩かれた手をネコのようにペロリと舐めながら宝石君は笑った。
こいつ! もともと、俺のことを知ってたんだ!
だから俺をターゲットにしたってわけか?
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