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第6話(視点なし)
気まぐれでいつもみたいに喧嘩をして、クールな少年は地味な少年にお礼を言われた。
しかしビクビクしてるのが言葉で伝わってきて、早々に興味がなくなった。
ふと足元を見たら、なにか落ちてるのか光ってるものが見えた。
それをしゃがみ拾うと、女の写真が入ったキーホルダーだった。
どっかで見た事あるな…あぁ、いつもアイツがウザいくらい見せてくるあの雑誌のか。
そう思っていたら本人が向こうから走ってくるのが見えて面倒くさい顔を隠しもせず歩く。
「あーにきー!!探しましたよ!もう!一緒にAIちゃんのコンサート行こうって誘ったのに待ち合わせ場所に来ないし…」
「行くわけねぇだろ、興味ない…それと兄貴とか呼ぶな恥ずかしい」
バカ丸出しの少年の顔面を殴ると奇妙な声を出して倒れるがいつもの事だからすぐに復活した。
「あれ?兄貴それ何持ってんですか?……あー!!AIちゃんキーホルダーじゃないですか!?兄貴、興味ないって言ってたのに本当は好きなんじゃないですか!!」
「興味ない」
「えぇ~本当ですかぁ~」
コイツに嘘ついてどうすんだ、面倒くせぇと思いながらキーホルダーをポケットに入れた。
すぐに捨てればいいと思うが、何故か捨てられなかった…その理由がよく分からなかった。
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