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第二章・5

 唇を合わせるだけで、玄馬は幸樹から離れた。  手にした彼の肩が、途端にこわばったからだ。 「キスは、慣れてない?」 「……初めてです」  愕然とした、玄馬だ。 (カフェで、ナンパまがいに声をかけてきたのにか!?)  よく観察すると、幸樹は赤くなっているが嫌がってはいなさそうだ。 (18歳、と言ってたな。恋に恋するお年頃、か)  さて、どうしようか。  玄馬は、どちらかといえばセクシー派だ。  大人の色気をかもす、熟れた情夫ばかり囲ってきた。  それが、キュートなお子様を相手にしようというのだ。  少々、興味が湧いてきた。 「じゃあ幸樹くんは、セックスも未経験なのかな」 「はい」 「今から、試してみる? 私と」 「……はい」  昼間に会った遠山の、かんかんに怒った顔を一瞬想像し、玄馬は幸樹をベッドルームへいざなった。

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