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第五章 大学にて
「さあ、今日は昨日の分まで頑張るぞ!」
「マスター、張り切りすぎてまた倒れないでくださいよ?」
新庄は苦笑いしながら、営業中の看板を出しに外へ出た。
出たが、泡を食ってすぐに戻って来た。
「大変です! ヤクザさんたちが!」
最後まで言わせず、人相の悪い者共がカフェへとなだれ込んできた。
そして最後には、ゆったりと歩む玄馬の姿があった。
「今度は何だ! 私は、脅しには屈しないぞ!」
「嫌ですね、マスター。私たちは、客ですよ?」
玄馬の部下たちは皆、思い思いの席についてメニューを開いている。
「カフェの売り上げに貢献しようと思って、ね」
にやりと、悪い笑いの玄馬だ。
「ありがた迷惑だ! あんたたちがいると、ほかの客が入れなくなる!」
赤い顔の遠山を置いて、部下たちは新庄や幸樹に注文を始めた。
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