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第五章・4

「どうぞ。キリマンジャロです」 「ありがとう、幸樹」  コーヒーを受け取りながら、玄馬は探るような目を向けた。 「今度、いつ会える?」 「今、会ってるじゃないですか」 「いや、そういう意味じゃなく」  今度、いつデートできる?  そういう眼差しで、玄馬は幸樹にお伺いを立てている。  幸樹は、困ってしまった。 「遠山さんが、もう玄馬さんとはお終いにしなさい、って……」 「若。私もそう思います」 「松崎は、ちょっと黙ってろ」  そこで、思いついたように幸樹が口を開いた。 「僕、明日は大学の講義があるんです。カフェテリアで、一緒に昼食を摂りませんか?」 「なるほど。学校で、か」  玄馬は、うなずいた。  目の前が、開けた心地がした。

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