46 / 195

第六章 図書館デート?

 玄馬は幸樹を抱く腕の力を少し緩めて、キスを続けた。  初めての時のキスではない。  そっと舌を出し、幸樹の唇を舐めた。  歯茎を探り、歯列をなぞる。  そして、薄く開いた彼の咥内へ忍びこんだ。 「ん……、ぅん……」  小さな声が上がったが、玄馬の下は幸樹のそれを捕まえた。  可愛い滑らかな舌を舐め、絡めた。  いつのまにか、幸樹の手が玄馬の袖を必死でつかんでいる。  震える彼の舌は応えることを、迷っている。  無理強いはせず、玄馬は幸樹から去った。 「はぁ、はぁ。玄馬さん……」 「これが大人のキスだよ、幸樹」  腰がくだけて、壁にもたれた背が低いところにある幸樹。  そんな彼の白いシャツのボタンに指をかけ、玄馬は一つずつていねいに外していった。

ともだちにシェアしよう!