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第六章・4

 幸樹の白い尻に先漏れの体液を塗りつけながら、玄馬は射精感をこらえていた。 (こうなったら、我慢比べだな)  私があきらめるのが先か、幸樹が欲しがるのが先か。  そんな賭けめいた気分も味わいながら、玄馬は肌を擦りつけた。 「……ん」 「何だ?」 「玄馬さん」 「私は、ここだ」  ああ。  玄馬さんは、確かにここにいるのに。  こうして、肌を合わせているのに、なぜこんなに遠くに感じるんだろう。 「もう。もう、赦してください……」  細い幸樹の声には、切羽詰まった中にも甘い響きがある。 「欲しいか。ん?」  それには、ふるふると首を横に振る幸樹だ。 「強情だな」  玄馬は、腰を速めた。  しゅっ、しゅっ、と音が鳴るほど、速く肌を擦りつけた。 「あぁ……!」  幸樹は、二度目の精を吐いた。

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