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第八章・3

 まあ、掛けましょう。  松崎にいざなわれ、一同はテーブルに着いた。  ゴールデンマンデリンを4つ頼み、彼は玄馬に向かって口を開いた。 「若、こちらのお方は」 「松崎さん。自己紹介は、私が自分で行います」  凛とした声に、好感が持てる。 (黒岩さんと一緒、ということは。泉田組に関係する子か?)  玄馬は、そう判断した。 「私の名前は、泉田 翔(しょう)。泉田 敬之(のりゆき)の、次男です」 「泉田組長の?」  おのずと、玄馬は姿勢を正した。  泉田組は、玄馬の九丈組と同程度の規模を持つ事務所だ。  関係は良好で、時折会食などの席を設ける仲である。  その息子さんが、一体何の用向きで? 「単刀直入に言います。九条さん、私と結婚してください」 「な……!?」  あまりに突然な、翔の申し出だった。

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