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第十章・6

 結婚。  玄馬さんと……? (僕なんかが、玄馬さんと結婚できるのかな)  付き合ってみて解ったが、彼は本当に。  カッコよくって、お金持ちで。  組長さんで、部下がたくさんいて。  そして、αで。 「……樹。幸樹?」 「あ、はい!」 「どうした。花火会場に、行くぞ」  優しい、笑顔。  この笑顔を永遠に独り占めできたなら、どんなにか素敵だろう。  手を引かれ、幸樹は歩きながら思った。 (好きです、玄馬さん)  今はただ、心の中に言葉をとどめた。

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