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第十一章・4

『明日、一緒に出られないか?』 「今夜、会ったばかりですよ?」 『時間はとらせないよ。買いたいものがあって』 「僕と一緒に、ですか?」  玄馬は、ジュエリーを見たい、と言う。  指輪を、選びたいと。 『幸樹に、プレゼントしたいんだ』 「リングなら、今夜買っていただいたばかりです」 『縁日のシルバーなんかじゃなくて。もっといいものを』 「僕はこれでも、充分幸せなんですけど」  そう言いながらも、幸樹の胸はどきどきと高鳴っていた。

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