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第十三章・6

 スーツのジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを解き。  シャツのボタンを、自ら外してゆく翔。  玄馬は、その姿を見ていた。  観察していた。  ワインを飲んだのに、ひどく白い顔。  震える、唇。  もつれさせながらボタンを外す、指先。  翔が、心から喜んで玄馬にその身を任せるつもりでないことは、明らかだった。 「翔くん。無理をしてはいけない」 「無理なんか、してません」  衣服を乱して、翔は玄馬に口づけてきた。  ソファに玄馬を押し付け、下からすくい上げるように繋がって来た。

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