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第十四章・3
スマホには、彼の一週間の時間割も入れている。
「火曜日は、4限目まで入っているのか」
少し早く出過ぎたが、カフェテリアでコーヒーでも飲みながら待とう。
そう考え、まずは幸樹に電話を入れた。
『もしもし。玄馬さん?』
「幸樹か。台風が来ているから、大学まで迎えに行くぞ」
『ありがとうございます。実は4限目の講義が、その台風で休校になって』
「そうか。では、いつかのカフェテリアで待っててくれ」
「はい」
台風接近で危険だ、ということで、大学も早めに終わるのか。
「時間が90分、浮くな。どこかに寄りたいな」
パーラーで幸樹にパフェでも御馳走するか。
そんな呑気なことを考えながら、玄馬は大学へ向かった。
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