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第十五章・6
「ん、ふぅ、う! あ、あぁあ! 玄馬さん!」
「痛くないな? 大丈夫だな、幸樹?」
すっかり幸樹の体内に挿入ってしまうと、玄馬は少し間を置いた。
はぁはぁと口で息をしながらも、玄馬の首に回した腕はほどかない幸樹だ。
そのぬくもりを嬉しく感じながら、腰を退いた。
ゆっくりと、ていねいに。
「んあぁ……。ふ、うぅ、うん……」
「じっくり私を、味わってくれ」
抜けるほど退いた後は、またゆっくりと挿れる。
スローペースで優しく、玄馬は幸樹を抱いた。
「こういうのは、どうだ?」
「っあぁ! そ、それ、気持ち……い……ッ!」
奥まで突いたまま、細かく速く短い距離で腰を揺すると、幸樹は悦んで首を反らした。
髪が散るたび、シャンプーの香りがこぼれる。
自分と同じ香りが、幸樹から匂う。
玄馬は、ぞくりと震えた。
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