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第十六章・3

「あ。髪型」 「いつもの方が、いいか?」  幸樹の前に出る時には、いつも整髪料できちんと整えているオールバックが、今朝は下ろしてある。 「いいえ。新鮮です」 「良かった」  さすがの玄馬も、自宅でくつろぐときには髪を流すだけなのだ。 (エッチの後には、少し乱れてる玄馬さんの髪だけど)  こういう自然な姿も、素敵。 「惚れなおしました」 「効くなぁ、その言葉」  にこにこと椅子を引き、玄馬はテーブルに着いた。  食卓には、美味しそうな食事が揃っている。  野菜ジュースに、チーズトースト。  フルーツサラダに、ベーコンエッグ。  そして、コーヒー。 「カフェのモーニングみたいで、すみません」 「最高の朝食だよ」  玄馬はさっそく、ベーコンエッグに手を付けた。

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