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第十七章・2

「僕も、ですか?」 「うん。コーヒーを飲みながら、聞いて欲しい」  遠山の改まった口調に、幸樹は背筋を伸ばした。 「実は昨日、幸樹くんを訪ねて来た人がいてね」  それは妙だ、と玄馬は言った。 「昨日はまだ、暴風雨圏内だったでしょう?」 「一刻を争うから、とおっしゃっていた」  そこで遠山は、堀口の残した名刺を、幸樹に渡した。 「弁護士さん、ですか」 「幸樹くんのお父さんからの依頼で、見えたんだよ」  幸樹は、目を見開いた。 「僕の……、お父さん!?」  玄馬は、眉根を寄せた。 「マスター。大切な話を、私に聞かせてもいいんですか?」 「ぜひ、九丈さんにも聞いて欲しいんだ」  そして、遠山は話を続けた。

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