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第十八章・3
「こんにちは、幸樹くん。君が私の弟と聞いて、驚いたよ」
「翔さん」
母親の違う兄弟である。
翔には煙たがられるかもしれない、と思っていた幸樹は、好意的な彼のしぐさにほっとした。
その手を取り、握手をした。
「父に、会ってくれるかい?」
「はい」
家屋に通され、長い廊下を歩く。
ところどころに黒服のボディガードが立っている姿を見て、幸樹は思った。
(やっぱり、組長さんのお屋敷ともなると、雰囲気が違うな)
玄馬のマンションも組長の家には違いないのだろうが、こんな人たちはいなかった。
映画のワンシーンのような体験をした後、やがて応接室に招き入れられた。
そこは、意外なことに洋間だった。
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