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第十八章・4
(日本家屋だから、和室だと思っていたのに)
しかし、幸樹はすぐにそのわけを知った。
そこで待っていた男は、車椅子に乗っていたのだ。
男は円卓から少し体を動かし、幸樹の方に向き合った。
「幸樹か?」
「はい」
「傍に来て、顔をよく見せてくれ」
遠山がこの場に居たら警戒しただろうが、幸樹は素直に男のそばに寄った。
そして話がしやすいように、その場にひざまずいた。
男が幸樹に手を伸ばした時に、玄馬が静かに教えてくれた。
「幸樹。この人が、泉田 敬之さんだ。君の、お父様だよ」
「……!」
父の大きな手が、幸樹の頭に乗せられた。
優しく髪を撫でた、その男。
彫りが深く、高い鼻を持っている。
猛禽類を思わせる顔立ちだったが、その目は穏やかだった。
「お父さん……!」
幸樹の目に、熱い涙が湧いてきた。
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