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第二十一章・4
身体を密着させ、細かく速く突き上げる玄馬の動きに翻弄されながら、幸樹はその背に爪を立てた。
「玄馬、さん。あぁ、はぁ、あぁ。僕、ホントに、発情……」
「まず、間違いないだろう」
そう考えれば、昨夜の幸樹の行動にも納得がいく。
なにせ、車の中で求めて来たのだ。
Ωの血が、αの玄馬をひどく欲したのだろう。
「っく、うぅう! はぁ、あぁん!」
「幸樹……!」
背中の刺青に爪立てられる、甘い痛み。
玄馬の下腹が、ぞくぞくと泡立った。
「幸樹、中に出してもいいか?」
「来て、玄馬さん。中でなきゃ、ヤだ!」
その言葉に玄馬は細かい動きをやめて、大きく激しく叩きつけた。
命の限りを、幸樹に与えるかのように。
「んぁ、あ! 玄馬さんッ! あぁ、あぁッ! はぁ、ああ!」
「出すぞ、幸樹」
玄馬の熱い精が、幸樹の体内にたっぷりと注がれた。
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