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第二十一章・5

「あ! ッあぁ、あ! ……あぁ、あ!」  身体を弓のように反らせ、幸樹は玄馬を受け入れた。 (玄馬さん、熱い……。あぁ、僕、幸せ……)  両脚を玄馬の腰に絡ませ、幸樹はしばらく動けなかった。  瞼を閉じ、息を荒げ、声を漏らした。  身体が熱い。  そして、次に来るのは甘美な気怠さだ。  やがて糸の切れた操り人形のように、ぐったりと脱力した幸樹の身体を、玄馬は優しく支えた。  余韻に浸る幸樹を、見守った。 「幸樹、平気か? 水を飲むか?」 「んんぅ……。まだぁ。玄馬さん、もう一回、したい……」 「何だって」  見ると、幸樹の身体はすでに回復しており、その中心も勃っている。  玄馬は苦笑いをし、幸樹の頬に手を当てた。 「嬉しいな。幸樹がこんなに、おねだりしてくれるなんて」 「ふふっ。玄馬さん、愛してます」   幸樹は玄馬の頬を両手で挟み、口づけた。 「私も、幸樹を愛している」  玄馬はそのまま上半身を深く倒し、さらに奥深くへ腰を入れた。 「さあ、味わってくれ」 「んあぁ! はぁ、あぁん!」  めくるめく快感に、幸樹はその身をゆだねた。  押し寄せる悦楽に、玄馬はその身をまかせた。  そこには、幸せしかなかった。

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