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第9話
「律、挿れるぞ…っくぅう…んんっ!あっ…ぁああ!はぁあああ!」
宗也の目の前で、志貴の中に律が少しずつ飲み込まれていくのが見えて、ごくりと喉を鳴らす。
「し…きさっ…んんーーーっ!」
根元近くまで飲み込まれた律が、我慢できずに声を出す。
まるで逆だよな。
2人を見て思う。しかし、これがこの2人のやり方なんだろうと思いながら、でもさ、と宗也は心の中でほくそ笑んでいた。
進化って大事だよな。
そっと2人の結合部に近付くと、腰を動かして甘い声を出している志貴の腰を掴んだ。
瞬間、ビクッとした志貴の動きが止まり、後ろを振り向く。
そこに静かに笑いを浮かべた宗也を見て、志貴の心がざわついた。
何する気だ…こいつ
そう思う間もなく、宗也の手が志貴の身体を後ろから抱きしめ胸の突起を弄り始めた。
「おい、やめろって!俺はされるのは好きじゃないって言っただろう?離せよ!」
しかし、宗也の手は止まる気配も、ましてや離れる気配もまったくなく、身を捩る志貴の身体をしっかりと捕まえたままで乳首を弄り続ける。
最初こそ嫌がっていた志貴だったが、そこへの感覚を段々と意識し始めると、いつの間にか腰が動き出し、我慢しきれない声が口端から漏れ始めた。
「やめっ…ろって、いぃいいい…って…うぅん…だ…めだ…って…はああああ!」
ついに、志貴が我慢できずに律の腹を汚していく。
「志貴さん…乳首弄られてイったんですか?」
律の驚きのために見開かれた目と、つい言葉に出してしまった問いに志貴の顔が真っ赤になり、そんな風にした宗也への怒りによって、律の上から立ち上がろうとする。
しかし、志貴の身体が一瞬で崩れ落ち、律の胸に置いた手がガクガクと震えるのを見て、律が心配して声をかけた。
「志貴さん、大丈夫で…え?なんか、俺のに刺激が…ぅあっ!」
律が志貴の中にいるはずの自分の分身への刺激に驚きの声を上げた。
「な…に、これ?」
訳もわからず、状況を見ようと上半身を起こすと、自分の胸でビクビクと痙攣している志貴の影にいる宗也の姿が見えた。
「宗也、何を…んんっ!何?ひぁっ!」
なんの前触れもなく律を襲う刺激に、口を突いて声が出るのを止められない。
「そう…や…ぁあああ!」
ぐにぐにと触れられるはずのない先端を刺激され、堪らず律の腰が大きく震えた。
「あぁ、手がぬるぬるになっちゃいました。志貴先輩の中で律先輩を弄るなんて、僕ってなかなか頭がいいと思いません?」
ふふふと笑って、宗也が律のものと思われる液体を指で悪戯しながら微笑むのを見て、律の背筋に冷たいものが走った。
「宗也…何をして…」
驚きと恐怖の余り、掠れる声で尋ねる律に宗也が近付くと、再び律の腹に液体を垂らしながら荒い息でいる志貴の顔を上げさせ、おもむろに自分の唇を合わせた。
「僕、志貴先輩も大好きなんです。この前は志貴先輩からキスしてもらったから、今度は僕がお返し。僕は手で遮るなんて事しませんけどね。あぁ、先輩もイっちゃったんですね?ふふ、可愛いなぁ…でもね、僕はもっともっと志貴先輩とも律先輩ともいっぱい気持ちいい事したいし、もっともっと可愛く感じている姿が見たいんです。いいですよね?先輩達?」
そう言って無邪気に笑った宗也を見て、律は本能でここから逃げたいという思いに駆られていた。しかし、自分の上で痙攣したままで意識も朦朧としている志貴を退かせない律には、どこにも逃げ場はなく、何をされるかわからない恐怖と、それにほんの少しの好奇心を感じている自分に驚きを感じながら、志貴の背中に向かう宗也をじっと見つめることしか出来ずにいた。
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