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第5話

今日の情事の場所は格納庫だった。 誰もいないのを確認すると、壁を支えに鷹島君に臀を突き出してその性欲に応える。 「……君のこんな姿を知らないなんて、彼奴は可哀想だな……」 「……っ……」 幾度となく男根を受け入れてきた、妊娠する事のない女性器はこの行為を快感だと認識していて、僕を何も考えなくさせていった。 なんという浅ましさだろう。 僕は身体では鷹島君を受け入れながら、心の中はとても冷ややかな目で自分を見ていた。 鷹島君は僕の身体の内で達すると、僕に向かって声を震わせながら言った。 「俺、今夜逝く事になった」 「……そう……」 「だから……もう一度いいかな?今度は君の顔を見ながら……」 いつもの明るい声が、今は消え入りそうだ。 「うん……」 それでも、僕はいつもと変わらない自分でいた。 泣きながら僕を抱く鷹島君。 「君を知って、生きたいと、もっと君の傍にいたいと思ってしまったんだ……っ……」 「そう……っ……」 与えられる快感に、僕は目を閉じる。 彼に愛の言葉を言われても、何も感じなかった。 出会ってすぐ、僕の事をどこからか聞きつけて身体を求めてきた鷹島君の想いは僕にとって軽薄なものでしかなかった。 2度目の射精を受け入れると、僕は汚れた身体を鷹島君に拭いてもらっていた。 「俺も君にあんな風に、彼奴といる時のように笑いかけられたかった。それだけが心残りだ」 「…………」 鷹島君はそう言いながら、僕を強く抱き締める。 「また君に出逢う事が出来たなら、その時は君を心から悦ばせられる俺になりたい」 「…………」 涙の残る目で僕に笑顔を見せた鷹島君は、夜遅く、飛び立っていった。

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