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第18話
宴が終わり、僕は部屋の縁側のような場所で風にあたっていた。
「ジュン」
そこに、イベリスさんがやって来る。
「外を見ていたのか」
「……はい……」
僕の隣に座るその距離はかなり近い。
「宴はどうだった?」
「ああいうあたたかい雰囲気の中で過ごすのは久しぶりでしたので、とても楽しかったです。ありがとうございました」
「そうか。そなたに喜んでもらえて良かった」
笑顔のイベリスさん。
その笑顔は鷹島君そのものだった。
「つかぬ事を聞くが、そなたが愛した者とはどのような者だったのか?」
「…………」
その言葉に、僕は嫌な予感がした。
この人は僕を、鷹島君の様に性の対象として見ている。
そんな気がしてならなかった。
「……花が大好きな人でした」
僕はそれ以上は何も言わなかった。
鮎原君のその姿を、僕の心の中だけに留めておきたかったからだ。
「そうか。……ジュン、この世界で不安を覚えたら俺を頼ってくれていい。遠慮なく何でも話してくれ」
「……ありがとうございます……」
僕の手を握ると、イベリスさんは言った。
この人はいつかきっと、僕を自分の思うがままにしようとするだろう。
それがいつなのかは分からないけれど。
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