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第25話
「身体はもう大丈夫なのか」
「……はい、大丈夫です……」
夕食時、僕の隣に座ったイベリスさんに尋ねられ、僕はその顔を見ないで頷いた。
「辛い時に傍にいられなくて済まなかった」
「……いえ、ご心配をお掛けしました」
食後、僕はイベリスさんの部屋に呼ばれ、ふたりでお酒を飲む事になった。
「今宵は深酒しないようにしないとな」
「そうですね……」
肩を抱かれても、優しい言葉を掛けられても、僕は何も感じなかった。
鷹島君の時と同じように、イベリスさんの言動は軽薄だと思ったんだ。
「明日の夜もまた逢ってくれるか?」
「……分かりました……」
流石に今夜は僕を抱こうとしなかったけれど、明日はきっとそうじゃないだろう。
イベリスさんの部屋を出ると、僕は隣の自室に戻り、すぐ休んでいた。
早く朝を迎えたかったからだ。
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