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第3話
メインは光の作った、晶がリクエストの唐揚げの山、晶の作った味噌汁、光が作った野菜サラダがテーブルに並ぶ。
「いただきまーす」
「いただきます」
晶は早速、唐揚げを箸で取り、齧り付くなり目を見開いた。
「どう?ちゃんと揚がってる?」
味噌汁を片手に、晶の顔色を伺うように光が尋ねると、晶はぶんぶん首を縦に振る。
「すっっっごい、美味い!カリッとしてるし、中はジューシーだし、にんにくもちょうどいいし、めちゃくちゃ美味しい!」
箸で摘んだ半分まで齧り付いた唐揚げを凝視した晶が絶賛し、早口になっている。
「ほんと?良かった」
晶の喜びように光は笑顔で自らも唐揚げに齧り付いた。
「ん、なかなか、上出来」
「充分、上出来だよ」
「晶の作った味噌汁も美味いよ」
「味噌汁くらい」
「たかが味噌汁、されど味噌汁!」
光が味噌汁のお椀を掲げる。
「いや、特別、難しい料理じゃないし」
晶は苦笑し、眉を下げるが、光は、いいや、と譲らない。
「ちゃんと出汁もきいてるし。ほら、店によってはやたら味薄かったり、濃かったりするじゃん、ちょうどいい」
ニコッと、口角を上げる光に、そ、そうかな、と晶は戸惑いながらも嬉しさのあまり微かに笑顔が零れた。
食事を終えたら、2人はPCで一緒に海外ドラマを見た。
「あー!続き気になるー!」
光が終わるなり叫び、晶も、
「わかるー!でもこれはアレじゃない?犯人はまた別にいるかも」
「そっかなあ、俺はアイツで間違いないと思うけどなあ」
暫し、海外ドラマの展開に花開き、
「お風呂溜めてくるね」
晶は浴室へと向かった。
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