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第5話

「あー、すっきりしたあ」 光は黄色のTシャツにボクサー、首に掛けたバスタオルで濡れた頭を拭いながらリビングに戻る。 テレビの前で胡座をかき座り、右手に缶ビール、左手の拳を膝に置いた水色のTシャツにボクサー姿の晶がいた。 光はいつものことだが、普段、晶はめったに胡座をかいては座らないが、光は気に留めず、ただ晶が電源を付けたらやっていたバラエティ番組に目を向けた。 晶が無表情でビールを傾けている中、 「俺も飲もうっと!」 晶の背後を歩き、冷蔵庫から缶ビールを取り出すと晶の隣に座った。 プシュ、とビールを空け、ごくごく喉を鳴らす。 「ぷはぁ!やっぱ、お風呂上がりのビール、最高だね!」 テレビに目を向けたまま、晶に声を掛けた。 晶は正面のテレビを真顔なまま見つめ、無言でビールを飲んでいる。 体感型のゲーム形式のバラエティ番組にさぞかし夢中なんだろうな、と光は晶をチラ、と横目で見、自身もビールを飲みながら番組を見た。 思わず、ギャハハハ、ぷは!と光は笑った。 「うわぁ!ヤバい、ヤバい!落ちるっ!」 正直、晶はただ単にテレビを付けたらやっていただけで、番組に興味はなく、内容も入っては来ていない。 ただただ、隣の光の笑い声にむしゃくしゃしているが、光は気がついてはいない。 「...しよっか、光。ベッド行こ」 突然、開いた晶の低い声に、一瞬、え?と間の抜けた声が出たが、うん、しよ!と光は邪気のない笑みを返した。

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