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第22話

「飲みに...っ、付き合うしかなくって...っ、バイト終わって、そ、外、っで、か、和典、待ち伏せてて」 泣きじゃくりながら懸命に真相を話す光の顔を覗き込みながら背中を類は優しく懸命に摩り、晶も呆然と立ち尽くし、光の話しを聞いた。 「待ち伏せられてたのか...それで。大丈夫だった?光」 類の声に、光が、ヒクッとしゃっくりを込み上げる。 「の、飲みに、付き合ってくれたら、も、もう店には行かないって...でも....っ、く、薬、盛られてて....っ」 「薬を...?」 「目が覚めたら、和典の部屋...っ、でした....っ」 「乱暴されたの?光...」 心配になり類は一層、光を覗き込んだ。 「す、少し....っ、で、でも....っ、う、腕に噛みついて、その間に、に、逃げました....っ、そ、それより....っ」 類は変わらず背中を摩りながらゆっくり光を気遣い、光の言葉を待った。 「あ、あいつ...っ、か、和典、晶に対して、ひ、酷いことを...っ」 「晶に?」 玄関先に立って見つめている晶も、突然、光の口からついて出た、自分の名前に目を見開いた。 光は涙ながらに唇を噛み締め、頷いた。 「あ、晶の...こ、こと...、和典、そんな、っ風にお、思ってたなんて...っ、晶は和典のことを...っ」 「ごめん、光。もっとわかりやすく説明してくれるかな?晶になにかしたの?そいつ」 しばらく光は黙りこくり、片手で涙を拭ってから切り出した。 「あ、晶は下の世話しか出来ないとか...っ、愛想も無いとか...いつかは捨てるつもりだった、て...っ、す、捨てるって、そんな....っ」 「...確かに捨てる、なんて...ありえない言葉だね」 「そ、それに...っ、お、俺に...乗り換えるつ、つもりだったとか...っ、お、俺...っ、そんな都合よくないし....っ、晶は浮気で、お、俺が本命だった、て....っ、嘘かわからないけど、晶が知ったら、晶は傷つく....っ」 類は秘かに振り返り、晶を見つめた。 晶もまた困惑しつつも、泣きじゃくる光の姿に目を奪われていた。

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