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第28話
「も、もういい、わかった、二度と来ねーよ、こんな店」
「こんな店?」
思い切り、類が睨み上げると、和典は顔色を変え、
「もう来ません。2人の、光と晶のいる店には」
「店だけでは困るんだよね、晶と光は僕らのファミリーなんだ、2人に二度と顔をチラつかせるな。被害届もある事を忘れずにね」
マフィもイタリア語で和典にトドメを刺した。
「もう出てきていいよ、光」
類のいつもの声に、顔半分を出し、様子を伺っていた光が立ち上がった。
「ありがとうございました、店長、マフィ」
「ちゃっかり、お代、貰う辺り、類らしいね」
マフィが笑った。
「たかが、ビール一杯だけど、二杯分、取ろうか悩んだよ」
屈託なく類が笑う。
「にしても突然、お2人、イタリア語で、和典、かなりびっくりしてました」
「ああ、彼はビールしかまだ頼んでないけど、肉料理がいいか、魚料理がいいか尋ねた方がいいね、て話してたんだ」
「そうそう、帰り際もマフィ、ここの料理なかなかイけるよ、て言っただけなのに、何故かビビってたよね」
類とマフィはイタリア語で脅していた訳じゃないと知り、晶と光は唖然とした後、笑いの渦に包まれた。
「これで一安心だね、光」
晶が光に微笑みかけ、
「うん。またなんかあったら、遠慮せず、いつでも連絡しておいで。僕とマフィは最強だから」
類の言葉通り、晶と光にとって、類とマフィに救われた1日だった。
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