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第6話

自宅でシャワーを浴び、念入りにアナル洗浄も済ませ、僕はトートバッグにローションと念の為、6つ入りのコンドームを入れ、 「じゃ、お母さん、行ってきます」 中村くんの家まで歩いているさなか、 「...ローションとゴム、足りるかな」 何しろ、初めて、4人を相手する僕は小首を傾げて暫し考え、一度、行きつけの薬局に寄ることにした。 ローションを二本、ゴムも12枚入りを二パック持ち、レジに向かう。 レジは既に顔見知りの大学生のバイトの加賀さんだった。 「いつもありがとう、遥斗くん。今日は随分、大量だね」 にっこりと笑顔を向けられ、僕は照れた。 「あ、今日、これから友達の家に行くものですから...」 「へえ、友達?」 レジを打ちながら、加賀さんが目を丸くした。 初めてローションを買ったとき、レジをしてくれたのが加賀さん。 もじもじする僕にこそっ、と 「...もしかして、君もゲイ?」 と尋ねられ、真っ赤な顔で頷いた。 僕の見た目からウケだと見抜いたのだろう、 「今度、僕にもヤラセてね」 と言われたが、まだ肉体関係はない。 お勘定を済ませ、紙袋をトートバッグに入れて、僕はまた歩き出す。 淡いピンク色のパーカーに細身なデニムといった出で立ちだ。 先生に、 「遥斗は可愛いからピンクが似合うね」 そう言われたパーカー。 中村くんの家に着き、インターフォンを押した。 開いた先には高野くんがいる。 「遅かったじゃん、遥斗」 「ごめんね、ちょっと、準備に手間取っちゃって。お邪魔します」 中村くんの部屋に入ると吉田くん、石井くんの姿もあり、 「遥斗、待ってたよ」 僕も笑顔を返し、トートバッグを置くと、テーブルにローションとゴムを並べた。 軽く飲み物を飲み、休憩した後は、高野くんに指示されるまま、後ろ向きになり、パーカーやデニムを脱いだ。 「色白だな、遥斗」 「尻も小さくて、丸っこくて可愛いな」 興奮気味な声が聞こえる。 多分、吉田くんと中村くんだ。

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