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第13話
結局キッチンには行かず、渇きを覚えたまま自室に戻った。
彼らに気付かれないように、息を殺して皆がその場から移動するまで待ちながら、こそこそと惨めに小さくなる自分にショックを受ける事が滑稽に感じた。
今の自分を客観的に見ても、彼らの言う「居ない方が良い人間」ではないか。
それでも、矢張り悲しかった。
駄目な人間だから、たった一人、部屋に籠る事を望まれている。
分かってるのに、その事実に打ちのめされた。
塞がらない傷から血が流れ出る様に部屋で泣き続けた。
泣いて、泣いて。涙が枯れる程に泣いた。
瞼が厚ぼったく感じ、頭痛に拍車がかかる。
苛立ちと情けなさに気持ちが悪くなる。
本当にどうしようもない。
自分が会食に出席しないからと言い、台無しどころか大した影響はなく、むしろ恙なく進んだ事だろう。
こんな風に一人泣いてる姿なんて誰も知らない。
家族たちの侮蔑を階段で小さくなり聞いていたなんて、彼らは知らない。
苦しくて仕方ないのに、誰も気づいてくれない。
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