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第9話
――何てみっともない恰好をしているの
姉が赤面し口を覆う。
目の前の彼らはドレスアップしていたが、対する自分はパジャマ姿だ。
先程こけた所為で、土で汚れても居る。
とてもじゃないが、人前に出る様な恰好ではない。
忘れていた羞恥心が蘇り頭を慌ててさげた。
早くこの場を去らなくてはならない。
体を翻したところ、やはり足が縺れてよろけてしまう。
母は付き添いの男二人に頭を下げながら詫びの言葉を続ける。
蒼白になり怒りを露わに突き刺さる視線。
土下座せんばかりの勢いで、謝罪をする両親。
早く部屋に戻れと言う父の怒号。父を諫める兄。
驚きながらも苦笑を浮かべ両親を宥める二人の男。
片方が何処か侮蔑の色を浮かべ此方を見る。
両親の命乞いを思わせる懇願を見て、不意に涙がこみ上げる。
とんでもない事を仕出かしたのだ。
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