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第7話

竹のようにすっと伸びた背。 結ばれた唇。 雄性の薄い顔立ちはどこか儚げにも見えるのに、己に恥じない堂々とした表情が彼を年齢以上に凛々しく見せた。 卑屈な自分とは違う正当性に満ちた輝きに溢れている。 その美しさは、表層ではなく内から発せられたものだと気付くと彼の前に立つ自分は矮小で汚らしいもののように思えてしまう。 委縮し、小さな声で「いいえ」とだけようやく答える事が出来た。 「い、いえ。こちらこそ、あの、有難う……ございます、その、大丈夫なんですか? 制限とか」 「ご心配には及びません」 そういえば、感染症にかかりやすい状態だと説明を受けていた。 最初は拗ねた気持ちでその説明を聞いていたが、今は反発も起きない。 いつの間にか周囲の大人たちが煩く会話に入ってくるが、もはや彼以外眼中になく彼もまたその雑音には耳すら傾けない。

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