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君以外は何一つ価値のない人間だって事が分かったよ

名前を呼ばれはっと我に返ると、皆が奇妙な顔で此方を見つめている。 何だろうと、錦を見つめ返すと戸惑い気味の視線。 ニコリと笑い返す。 もう大丈夫だよ。 錦君、有難う。 あのね、ようやく何が大事で何が不要か理解できたんだ。 君以外は何一つ価値のない人間だって事が分かったよ。 悪いのは劣っているのは自分では無くて、父や母や兄の方だったんだって。 錦君は特別だから独りぼっちだったけど、ようやく理解者になれる気がしたんだ。 ただそれが嬉しい。

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