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第1話
窓から差し込む夕日に廊下が赤く燃える。
冬が近づき随分と日が暮れるのが早くなった。
休日が終わり、明日からまた学校が始まる。
そう思うと今更ながら貴重な休日の午後を潰している事にどう思っているのかが気になる。
「休日が潰れるの嫌じゃない? 他に遊びたい友達とか居ないの?」
ちらりと視線を寄越して「特には」と口にして言葉を続けた。
「休日を共に過ごす相手はいない」
「お友達と遊ばないんだ」
「遊ばない」
ごく短く返し、此方を再び見る。
どうしてと続く心の内を読んだかのように、さらに言葉を重ねる。
「プライベートを共通する必要性を感じない。教室中での付き合いで充分だ」
「そうなの」
此方に話を振られたらどう答えようと身構えるが、特別興味が無かったのか話題はそこで終わった事に安堵する。
まともな答えが無いから、聞き返されたらどうしようと心配していたのだ。
彼には特別親しい友人はいない。
家族の話と錦の話を合せても一致してるので間違いない。
学校内でそれなりに交友関係は築いていても、プライベートでは常に一人だと知っていたから別段驚くことは無かった。
知りたい事、確認したい事は沢山あったのだ。
彼との共通点が幾つあるか確かめたかった。
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