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第2話

今年は珍しく梅雨時期に体調も崩さなかったし、体力測定でも成績が前回より良かった。健康状態も良好なのだ。 夏休みはきっと元気に海輝と過ごせる。 素晴らしい。 とは言え、いくら気分が良いとは言え何でも許容できるわけでは無い。 暑いのだ。 昨日はもう少し気温が低かったので、比較的過ごしやすかった。 それなのに、今日は何だ。 昨日より四度も気温が上がった。        この寒暖差はどうにかならないものか。 学校の規則で六月から夏服への移行期間となるが、気候の変動や生徒の体感温度の違いもあり七月一日までは合服着用も許されている。 梅雨の影響で冷え込む日が続き夏服へ移行する生徒が少ない中、錦も皆と同じように合服を着用していた。 ニュースでは気温が三十度を超すとの事だったが、朝が寒かったので合服でも問題ないだろうと考えていたら使用人の山本から夏服を進められた。 確かに、朝は少し肌寒かった。 教室は空調機で快適な温度ではあるが、下校時間になれば暑さに合服の生徒が羨ましげに夏服の生徒を見ていたほどだ。 夏服へ移行するタイミングに間違いは無かった。 錦は山本に謝意の念を抱く。 こんな暑い中、冬服より薄手とはいえ長袖の制服など着ていたら倒れてしまう。 日差しが強い。 車の中は良いが、外に出ればうんざりする暑さなのだろう。 今年は梅雨入りも梅雨明けも去年より六日ほど早い。 かと言い、何か特別に思うことがあるわけでも無い。 梅雨が明け一気に気温が跳ねあがる。 これだけは、避けられないのだから今更不満を抱いても無意味だ。 ただ――毎年だが――この時期に良く体調を崩すので何となくだが憂鬱になる。

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