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第4話
作物はどうだろうか。
室内で太陽光の代わりに照明を当て栽培する方法もあるが、果実はどうだ。
錦は果実が無くても困らないが、義兄が好む菓子類には果実が必要不可欠だ。
地形や降水量等の気候の影響もあるが、年間日照時間が長い地域で栽培される一部の果実は糖度が高く味も良い。
例えば桃や蒲萄だ。
特にこの時期になれば、海輝が桃のゼリーを口にしたがる。
駄目だ。
やはり、夏は暑くなくてはいけない。
海輝の好物に影響してしまう。
そうだ、彼はアイスクリームも好んでいた。
クッキーやキャラメルのアイスが好きなのだ。
だから、錦はレシピを調べた。
思い出そうとして、何だか頭痛がし始める。
そんなに、難しくは無かったのに頭痛が。
違う、そうではない。
鎮痛剤を服用してから、六時間は経過した。
そろそろ効果が切れそうだ。
――頭痛がする
鞄の中には頓服薬がある。
口内崩壊錠なので、水が無くても服用できる。
服用したい気分に駆られるが、運転手の目が気になり鞄に伸びる指先を丸めた。くたりとシートに頭を預け瞳を瞑る。
怠い。
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