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第1話
T地区中央公園は入り口にある車止めを境に、白とくすんだピンクのインターロッキングブロックで舗装された通路が広場まで真っ直ぐと伸びている。
自然型公園というだけあり緑が濃い。
樹木園を通る散策路に流れる空気は草花の濃密な香りがする。
折り重なる枝葉のお陰で薄暗いが少しだけ涼しい。
時折飛び立つ蝉が視界に入るので足を止めながら進む。
蟻の列や干からびた蚯蚓の死体を避けながら歩くこと十分。
豊富な形状のタイルを敷き詰めた道が終わり視界が開け芝生広場に辿りつく。
遊具等は無く、広大な芝生の真ん中に、太陽と惑星をイメージしたとされる巨大なオブジェが目に入る。
あとは桜や銀杏の木が植えられているだけだ。
広場に沿うように植えられた樹木の下、自然と木陰を求めて進む。
肌がひりつく。炎天の下で炙られている気分だ。
子供の柔らかな肌と髪を突き刺す陽射しは容赦なく空気も、地面も何もかもを灼く。陽炎が揺らめく。足下から肌を這い上がる熱気に少しだけぼうっとする。足は意識しなくとも前進する。
何だか別の生き物のそれに思えてきた。
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