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第2話
久しぶりに見た両親の顔は鏡のように、無感動な瞳で此方を見返す。
再会は定型文を読み上げる様な形ばかりの挨拶で済ませた。
視線が絡む。
猛禽を思わせる、鋭い眼差し。
今はもう値踏みすらしない眼差し。
もはやお前は値踏みをするに値しないと感情を取り払った父親の瞳。
――この路傍の石を眺める無感動な視線が苦手だった。
威圧されその重さで潰れそうになる。彼らにとっての錦は期待も興味もない軽い存在なのに。この身に受ける視線は冷ややかでとても重い。
違う。そうではない。
重いと感じるのは錦がそう感じているだけだ。
父は何の感情も乗せていない。
重さを感じるのは錦の捨てきれない感情に比重している。
捨てきれない、切り捨てられない。無くせない。
どうしても、手を離せない。
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