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3日目は白い恋人パークで工場を見学したり、お土産を買ったりした。夕飯を食べた後、ゲイバーに行ってみることにした。 外から中が全く見えず、入りにくい雰囲気だったが勇気を出して入ってみた。席はカウンターだけで、一番奥の席に座るよう言われた。 「いらっしゃい。見ない顔ね」 短髪髭の店員さんが対応してくれた。 「こういうところ初めてで」 「お酒はこのメニュー見て注文して。ママお手製の漬け物もあるから食べたかったら言ってね」 ママと呼ばれた人は入り口の方で接客していた。 拓海は梅酒のソーダ割り、俺はシャンディガフを頼んで漬け物も食べてみることにした。 「はい、どうぞ」 お酒と一緒に小皿に盛られたぬか漬けが出てきた。 味はしっかり漬かっていて美味しかった。 「美味しいです!」 「ママ、美味しいって」 ママは嬉しそうに会釈した。 「旅行で来たの?」 「姉が札幌に住んでて、彼氏を紹介するついでに旅行しようってことになりました」 「へー彼氏なのね。背高いけど、なんかスポーツやってるの?」 「ずっとバスケやってます」 「やっぱり。バスケかバレーだと思った」 そう言って他のお客さんのお酒も手際よく作った。 「いつまでいるの?」 「明日東京に帰ります」 「あら残念。今日はたくさん飲んで帰ってね」 「ありがとうございます!」 店内にはカラオケもあり、ママが演歌で美声を響かせていた。お客さんも手拍子をしたり合いの手を入れたりして盛り上がっていた。 「トイレ行ってくる」 拓海が席を立つと短髪髭の店員さんが戻ってきた。 「私、手相見れるんだけど占ってみる?」 そう言って左手を触り始めた。 「俺、占いとかあんまり信じないんですけど」 「いいから、いいから」 触り方がねちっこく、手を引っ込めようとしたとき拓海がトイレから戻ってきた。 「何してんの?」 「いや、その···手相見たいって言われたから」 拓海は無言でお金を置いて店を出てった。俺も慌ててお金を払って拓海を追いかけた。 「拓海!ちょっと待って!」 腕を掴むと振り払われた。 「怒ってんの?あの人とは何もないって」 「···何もなくても嫌だ」 そんな風に思ってくれる拓海が可愛かった。 「ごめんって。俺が触りたいのは拓海だけだよ」 顔を両手で包んだ。 「···ほしい」 拓海が小声で何か囁いた。 「え?何か言った?」 「···いてほしい」 「もうちょっとはっきり言って」 耳を近づけると、早く抱いてほしいと聞こえた。 「了解」 手を引いてホテルに走り出した。 翌朝、ホテルで朝食を食べて帰りの飛行機に乗った。帰りは拓海がずっと寝ていた隣で、俺は寝ずに撮った写真を見返していた。

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