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昼前に東京に着いて、拓海の家に向かった。
日差しがかなり強く、ちょっと歩くだけでも汗が吹き出した。
拓海からもらった冷感タオルで汗を拭い、鍵を開けるとエアコンの冷たい風が一気に体を包んだ。
「ただいま」
「おかえり。暑かったでしょ」
「うん。タオル助かったよ」
「それならよかった」
笑顔がどこかぎこちなかった。
「先にシャワー浴びていい?」
「うん、バスタオル好きなの使って」
「ありがとう」
シャワーで汗を流していると、拓海が入ってきて
後ろからきつく抱き締められた。
「努のばか」
「···ごめん」
「努のあほ」
「···うん」
「寂しかった」
「俺も」
振り向いて前から拓海を抱きしめた。
「俺のこと嫌いになった?」
「嫌いになれるわけないじゃん」
「でも拓海のこと、傷つけた」
「謝ってくれたから許してあげる」
「ほんとに?」
「うん」
拓海が背伸びをして唇にキスをした。
柔らかい感触に熱が膨らみ始めた。
「努の全部ちょうだい」
「うん、拓海に全部あげる」
舌が絡み合い、お互いの体温を交換した。
拓海のいいところを優しくさわりながら、跪いて熱の塊を口に含んだ。頭を前後に動かすと、拓海の呼吸が荒くなった。
「···努、もう···」
蜜が溢れる寸前に口を離した。
拓海は熱を持て余し、潤んだ瞳でこちらを見た。
「どうしてほしい?」
「···入れてほしい」
そう言うと俺のものを掴んで、その上にゆっくりと腰を下ろした。拓海の腰に手を置いて、さらに奥に届くようにすると拓海から大量の蜜が飛び出た。
「いっぱい出たね」
拓海は頷くと腰を上下に動かし始めた。
そのリズムに合わせて腰を振った。
「拓海、キスして」
唇が重なり、さらに熱が膨らんだ。
汗ばんだ肌を寄せ合い、拓海の中で果てた。
お互いに体を洗い合って風呂を出ると、拓海が昼飯を作り始めた。
「努」
「ん?」
「卵焼き食べる?」
「うん」
「これからもずっと作らせてね」
エプロン姿で笑う拓海を後ろから抱きしめた。
「危ないから座ってて」
「拓海」
「ん?」
「これからもずっと俺の隣にいて」
「なんかプロポーズみたい」
「プロポーズのつもりなんだけど···」
拓海の顔がみるみる赤くなっていった。
「だめ?」
「だめじゃないけど、やり直し」
「やり直しって···」
「一生に一度のことなんだから、こんなエプロン姿のときじゃ嫌だ」
「じゃあ、来週リベンジさせて」
「うん。約束だからね」
そう言って2人で笑った。
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