14 / 66

第14話

 セイジュの首筋にクロイゼンが手を添え、振り向かせてまたキスをした。 「んー! んん!」  セイジュが抗議の声をあげる。おそらく前回の失態を繰り返したくないと思ったのだろう。  だが、クロイゼンは構わずキスを続けた。 ——これ、ダメだ、あ、あ、ベロ絡んでる……唾が甘い……あ、吸われた……ヤバい、これ、頭、おかしくなる……  セイジュの意識が紅色になり始めたところで、クロイゼンは右手でセイジュの胸を撫で始めた。 「んっ!」  クロイゼンの長い指が突起に触れた瞬間、口を塞がれている状態でセイジュが甘い声をあげた。 ——あ、あ、何これ何これ、触られてるだけなのに、なんかめっちゃ……あ、ちょっと王子様! 手! 手が……!!  クロイゼンの手が胸から下降し、セイジュの性器に近付いてきていた。それだけでセイジュの身体は跳ね、すでに屹立しているそれはクロイゼンの指を待ちわびていた。  しかし。 「セイジュ」 「えっ?!」  口からは唾液を垂らし、顔は真っ赤、そして性器は限界直前まで来ている。その極限状態で、クロイゼンは一気に身を引いたのだ。 「口にできるか? どうして欲しいかを」 「は、えっ?!」 「言ってみろ」  クロイゼンは唇に触れるだけのキスをし、突起を避けて再びセイジュの胸を愛撫し始めた。 「あ、あ、いっ、嫌だ! ちゃんと、もっとちゃんと……!!」  頭を左右に振り、涙目になりながらセイジュは叫んだ。 「抽象的だな。きちんと言ってくれぬなら俺も応えようがない」 「そんな……」 ——い、言えるわけがない。もっと強く、ちゃんと触って欲しいだなんて……! でも——  羞恥心で真っ赤な頬を、涙が流れた。同時に、性器からカウパーも染み出てきた。ますますセイジュは恥じ入る。 ——ど、どうしよう、壊れる、俺このままじゃ壊れる!!

ともだちにシェアしよう!