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第18話
セイジュが射精すると、へそに飛んだ精液をクロイゼンがぺろりと舐めた。
「う、うわっ! 王子様、それやめてくださいって最初から言ってるじゃないですか! 汚いですよ! 悪魔には毒かもしれませんよ?!」
「解毒くらい己でできる。さて、それだけ大声が出せるならまだやれるな。次は——」
「ちょ、ちょっと待ってください! まだするんですか?! っていうか最初『教育をする』って言ってましたよね?! それはいつやるんですか?!」
この発言には、流石のクロイゼンも顎を落とした。
「おまえ、性教育というものを知らんのか」
「セイキョ……?」
「では、俺とおまえがこうして肉体的に接触し合う行為を何と呼ぶかは?」
「え? これって何かの理由や利益があるんですか?」
クロイゼンが数秒間無表情のまま動かなくなったので、セイジュは不審に思ってその美しい顔を覗き込んだ。
「王子様?」
「セイジュ、もしかしておまえの村におまえより若い住人はいないのか」
「はい、俺が最年少です」
「……つまり村人に妊娠出産したメスがいない……男色も、あの堕天使ですら実力行使には至っていない……よもや、セイジュを処女神が如くクリーンで無害で味気なくてアンリアルな、虚構の美意識で今まで囲っていたということか、あの村の全員が!」
——なんか、怒ってる。しかも村の全員? どうしてだろう?
天然人間セイジュくんは、またも方向性の違う疑問を抱く。
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