「心配しないで！　冗談だよ、セイジュくん。きみの話はクロイゼンからよく聞いてる。俺はアヴィリード、クロイゼンとはガキの頃からの付き合いだ」 「は、はじめまして、セイジュです。あの、失礼ですが、貴方はまるで……その、僕と同じ……」 「人間に見えるって？　よく言われるよ。俺は人間のクオーター、半分はゴーレムで残りはよく分からん」 　笑顔で言うと、アヴィリードはガハハと笑った。 「セイジュ、俺がこの王宮内で信頼を置いているのはこのアヴィだけだ。体調が悪い中すまなかったが、アヴィはまたすぐ次の任務に動く。このタイミングでしか顔合わせができなくてな」 「え、あ、うん」 　セイジュはそう応えたが、疑問が残った。 ——王族、クロイゼンを守るはずの近衛兵が、なぜ外部の任務に行く？ 「セイジュくん、後でクロイゼンに俺との通信ツールを用意させる。何かあって、クロイゼンが不在の時は、俺を呼んでくれ。じゃ、俺シャワー浴びてくる。またな！」 　アヴィリードはまるで竜巻のような勢いで退出した。