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第39話
部屋のロックは、翌朝には解除されていた。
あまり眠れなかったが、セイジュは迷うことなく『個室』に向かった。
すると、洞窟のような部屋の形状が変わっていた。
今まではベッドと椅子だけだったが、今朝は椅子が向かい合うように二つセットされており、ベッドは壁際の低い位置に、しかもサイズが大きくなって鎮座していたのだ。
こちらに背を向けている椅子の背もたれから、プラチナブロンドの髪が見えた。だが、何の言葉も寄越さない。
まだ怒っているのだろうか、とセイジュが恐る恐る顔を覗きに行くと、クロイゼンは普段のオレ様オーラはどこへやら、あどけない寝顔を晒してうたた寝をしていた。
——こんな顔して寝るんだ……
セイジュの中に、またクロイゼンの知らない部分が増えた。それが何故だか嬉しかった。
そして、セイジュは思わず、その白く美しい頬に、触れるだけのキスを落としてみた。
「ん……」
よほど深く眠っているのか、クロイゼンは覚醒せず顔の方向を変えた。
——起きるまでやってみようかな
一瞬、セイジュはそう考えたが、別のアイディアを思いついた。
椅子の正面に立ち、衝撃にならない程度にすっとクロイゼンの足に腰を下ろす。そして両腕をゆっくりと上半身に回し、身を預けてみた。
しかしセイジュは、すぐさまそれが失策だったことに気づく。
……どうしよう、えっちな気分になっちゃう。
いや、もうなってるから。丸見えですからあなたのテント。
——あ、身体が、うずく……。
クロイゼンにまたがったまま、セイジュは思わず腰を動かし始めてしまった。そして眠っているクロイゼンに、今度は頬ではなく唇にキスをした。寝ているせいか口は開いていたので、舌を射し込む。いつもの味に安堵する。
「はぁ、ど、どうしよう……」
腰の動きがなまめかしくなっていくにつれ、セイジュは気づいた。
クロイゼンの性器も反応していたのだ。
——ヤバい!!
「……ん……んん」
クロイゼンがそう唸ったので、セイジュは青ざめた。
——と、とりあえず腰! 止まって! お願い!!
だが次の瞬間、予想外のことが起こった。
だらりと下がっていたクロイゼンの両腕が、セイジュの腰をガッと掴んだのだ。
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