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第40話

「え、あ、ク、クロイゼン……」 「……まったく……この俺の寝込みを襲うとは……おまえの淫乱具合にはもはや脱帽だ」 「い、いんらん……」 「他にどう呼べと?」  数度瞬きをすると、クロイゼンはゆっくりとセイジュを自分の膝から降ろした。 「えっ……」  セイジュは驚いていた。てっきりいつものように『教育』してくれるかと思っていたからだ。 「向かいの椅子に座れ」 「え、でもクロイゼン、俺……」 「いいから座れ」  クロイゼンの声音がいつもより深刻だったので、セイジュは従った。 「我慢は身体に毒だって、最初に言ってなかった?」 「おまえの存在の方が、俺にとっては毒だ」 「はぁ?! 自分で拉致監禁しといて何言ってんの?!」  大声で言い返したので反論が来るかと思いきや、クロイゼンは黙り込んだ。 「……クロイゼン?」  クロイゼンはプラチナブロンドの髪をさらさらと流しながら俯いた。あのスカイブルーの瞳も見えないほど、深く。

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