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第37話

「はっ……、セイジュ、もういい。止めろ」 「え?」  頭を上げたセイジュの顔は、唇周辺は自分の唾液でまみれ、乾いている部分とまだぬらぬらと輝いている部分がないまぜになっており、卑猥なことこの上なかった。 「今日の教育はここまでだ。顔を洗って——」 「なんで? クロイゼンはまだ……」 「俺がたえられなくなる。とっとと部屋に帰れ」 「だからなんで? クロイゼンまだイってないじゃん」 「俺がしているのはおまえの調教だ。俺は関係ない」 「はぁ? そんなのヤダよ、不平等だよ」  セイジュは当然のようにそう言った。 「セイジュ、おまえは今、快楽の覚えたてで、性行為の真の意味を理解していない。時が来て、俺の一方通行ではなく、おまえ自身が自ら望むまで、俺は調教に徹する。そう決めたのだ」 ——一方通行……真の意味……自ら望む? 「自ら望むって、何を?」 「今応える義務はない」 「じゃあこうする」  セイジュはぐっとクロイゼンの性器を掴み、上下に手を動かしながらまた先端に口を付けた。 「セ、セイジュ! 止めろと言っただろう!!」 ——知りませーん。俺もいつもやられっぱだから仕返しー! それに…… 「それに何だ!」 ——俺、クロイゼンにも気持ちよくなって欲しいんだもん  次の瞬間、セイジュは自室のベッドの上に転がっていた。   魔法でワープされたとしか考えられない。 「クロイゼン! 魔法は反則だよ!!」  大声で叫んでみても、クロイゼンからの返事はなかった。

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