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第17話
「それ、俺のこと見にきてくれるの?」
『自校の教師がまったくいないんじゃ話にならないだろう。ジャンケンで決まったんだ』
「マジかよ……」
こうアップダウンが激しい会話は先生とだけ。先生の言葉に躍らされて突き放されて。恋情とは慌ただしいものだ。
『嘘だよ。私が立候補したんだ。体育の木場先生と一緒に行くから』
「いいところ見せなくちゃな」
『だから言いたくなかったんだけど、もし観客席に私を見付けたらちょっとは驚くだろう?』
ちょっとどころか視線は釘付けになりそうだよ。無理して恰好いいプレイ見せようとしてケガしちゃいそうな直情バカだしな、俺。
「テストの結果を先にお知らせしまーす、とかだったら、どうしようかと思ってた、俺」
『そんなことを言うわけがないだろう。それはまた月曜だ。良くても悪くても試合には関係ない』
「それはそうだけどさ……」
『ケガをしないように。気を付けて』
先生が話を切り上げそうだったので、仕方なく付き合って電話を切った。
それにしても先生が試合を見にくるのか。嬉しくて、張り切ってしまうな。気を引き締めないと。誰よりもいいプレイをできる自信がある。だからいつもの通りでいればいい。
俺は布団を被って目を瞑った。
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